芭蕉布
テレビから
杉村春子!
えっ、あらほんと!
まぎれもなく杉村春子、しかも あの着物、そう芭蕉布の絣!
女の一生の舞台の姿、 私は否応なく釘付け、
ベージュの地色に飛び絣、
欲しかった、買えばよかった、だけど買いそこなった あれ!
何十年も前の事であった、
高島屋の呉服売り場で見つけたそれは今画像で見るあの着物なのだ
4,5十年も前の事 14万円のそれを衝動買いする勇気を持ち合わせなかった私は
シブシブその場を離れて帰途に、
しかし、その夜は悶々として眠れず、
翌日一大決心で出かけた呉服売り場、しかし、無かった、
無いのだ あれが・・・
買いそこなった悔しさがこみ上げ 臍をかむ思いで踵を返した私はその後
芭蕉布を見ると胸をかきむしられる思いでいる
今見ても素敵だ、あの絣、買えばよかった、残念無念、
ただそれだけが心をよぎる、
”女の一生”と歩んだ”芭蕉布”、
あぁ、買っておけばよかった・・・
そんな悔しさを噛みしめながら テレビにくぎ付けNHKのアーカーブスでの事。
(あとで聞いた話だが彼女もお気に入りで何十年も繰り返し舞台できているので傷みが
激しくつぎはぎだらけだが愛用しているとか)
杉村春子!
彼女が逝ってから何年たっただろう、
特別のつきあいがあったわけではないが心に残る女優の一人、
彼女に関わる残された手紙が1500通だって、
えっ、すご~い! 手紙の好きな私でもそれは驚くほどの数、
画面に映るそれはみんな達筆なのにも驚く、
綺麗に流れる文面の数々、彼女の達筆は知られているが
その相手も綺麗な文字が連なるのは・・・なぜだろう
オフ ステージの彼女も素晴らしい、姿も 生き様も
書く事への情熱を捨て切れずにいる私、続けて行こう閉ざされるまで・・・と。
彼女の残した言葉の一つに
もう歳だから・・・この歳になって・・・なんて言うのは自分に対して失礼だと
明日があるじゃぁないか、明日もあるじゃないか、 心に響く言葉だと感じた
ともすると私は
いつ死んでもおかしくない歳になった、 というのが口癖、
ハッとさせられた、
そうよねぇ、明日がある、明日もある、そう思うことにしよう、
”死”なんて言葉は私の辞書から無くしてしまおう、
とは言え、彼女は超有名人、付き合いも 友達もみんな素晴らしい人たちに
恵まれていた筈、
見届ける人たちも有名人、
私なんか・・・そうよねぇ私なんか・・・雑草みたいなもの
愚痴を聞いてくれる悪友も、支えてくれた人もみんな逝ってしまった
それでも今流行りの”おひとり様”で行こうか・・・
”いつ・ボッチ”はどうかしら?(いつも一人ぼっち)
文学座の前を通っただけで彼女に近づけたような感激を覚えたのは
何年前のことだったろうか
そんな時を共に過ごした人も今は居ない、
心にのこっっている杉村春子、そしてあの芭蕉布、いつまでも私の心に。
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コメント
杉村春子さん、生き方も素敵な方でしたね。
さえ様も凛として私には同じに素敵な生き方にお見受けします。有名人とか関係なく、ね。
投稿: まゆクー | 2016年2月15日 (月) 02時14分
まゆさま
いえいえ、あこがれって いいですねぇ、心が通っているような、勝手に自分だけで思い続けている、おかしいでしょ
投稿: さえ | 2016年2月18日 (木) 19時13分