花火
風が強い、空模様はぐずつき、花火の開催が危ぶまれる、
観光課へ問い合わせたら決行と言うので急遽出かけた、
ついこの間まで 水着のお嬢さんたちで賑わっていた砂浜は
老若男女とりまぜて大賑わい、砂浜も階段も足の踏み場もない、
6時ちょうどに 打ち上げ開始!
わ~い! パチパチパチ! みんな大騒ぎ!
暗くなった夜空に光の輪、華、きらめき! 綺麗!キレイ!
ハート形、花、どらえもんも・・・夜空は賑やかに彩られていく、
2箇所から打ち上げられる花火は忽ちにして夜の闇に吸い込まれて
空は又元の闇に戻る、息つく間もなく次の華が拡がって
その度に
うわ~ッ、うわ~ッ! と歓声が上る、それは途方もなく大声で辺りに拡がっていく、
赤、緑、ブルーも 際限なく吸い込まれてしばし沈黙、そんな繰り返し、ただ楽しい!
やがて 終りに近くなったらしい、
ドド~ン ドド~ン!
続けざまに打ち上げられて空はまるで昼間のよう、
もう40分もたったのだろうか?
あれ、雨かしら? 誰かの声が・・・
今宵のイベントのファイナルを告げるように、ポチポチ落ちてきたようだ
誰もが人波に抱かれるように駅へ向かう、大きな大きな波が押し寄せる様に・・・
警官の叫び声だけが辺りに響く、歩く人はみんな諦め顔で只 歩く、歩く、
やがて着いた駅はひと際混み合って みんな早く帰りたいのだろう、
電車も勿論超満員、今年の楽しみが終わってしまった。私は花火に格別の思いがあるんです
花火と聞くと ”両国の川開き”に通じる懐かしさがこみあげる
(私の中では花火と聞けば川開きなんです)
我が家の年中行事であった川開きの集まりは、私達子供にも楽しみであった、
指定席に座って 大人はビールに枝豆、子供はサイダーに海苔巻きだの卵焼きだの、
みんな母の手作りであった、その席に母は一度も来なかった、母はいつも裏方であった
それは毎年7月21日に決まっていた、雨が降った事なんて一度もなかった、
只々、たのしくて嬉しい夏の夜であった、
今日から夏休みという解放感のせいであったかもしれない、
川向こうには浜町河岸の賑わいが見えて、今思えば下町を絵に描いたような景色であった、
母の疲れも考えずに 楽しい夏の夜、時の経つのも忘れて・・・
母はどうしていたのだろう、自分が母の年をとっくに過ぎた今になって始めて思う事、
あぁ・・・、母さん!有難う!
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