日本丸寄港
夕陽が見え隠れする空に 茜色の光が静かな海面をさすようにきらめいていた
何が釣れるのだろうか 僅かな釣り人が糸を垂れる、
ある様なないような海風が頬をかすめる、あの暑かった夏の海がうそのように
風はすっかり秋風、
遠く水平線に見慣れぬ船影が浮かぶ、
江の島からはどのくらいはなれているのだろうか
へ~あれが日本丸??
夕闇が濃くなってきた、水平線に近い日本丸の煙突から黒い煙がのぼって出航が近いのだろうか?
5時出航と聞いていたがなかなか動かない、誰かが
あっち向かっちゃ茅ヶ崎へ行っちゃうよ・・・なんて、笑い声、
船内には灯りがともってキラキラ!
傍らの人が カメラ、ケータイをもってなにやら話してりいる
今、フラッシュたくから・・・それが僕だよ、 わかったぁ・・・?
風邪ひくから部屋へはいっていいよ~
どうやら見送りらしい、見えないだろうに 手を振ったり、カメラをかざしたり、
別れを惜しでいるのだらう
いい世の中になったなぁ…傍目にも切なさが映ってなんだかしんみり・・・
船はまだ出ない、そろそろ向きを変えているようだ
ひと際多くの煙が上がっていよいよ出航か?
夕陽は静かに静かに、別れを惜しむ人を包んで海面に輝く、
肌寒い浜風、スカーフをひろげて一時しのぎ、
辺りはすっかり暗くなって、人影もそろそろ帰り支度。
片瀬の海岸も 静かに暮れて行く・・・音もなく・・・
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