春の雪
遠い昔であった それは”宵節句”のこと、母が亡くなった、
おさなかった私は ただ ただ 悲しかった。
入院中の母に代って 八段の赤いもうせんに一つ一つ飾った雛人形を
その夜、あふれる涙をこらえて かたずけたのが 母と雛祭りの悲しい思い出。
(大人たちは忙しくてやっていられなかったと思う)
2日に亡くなった母の葬式は 初七日の8日に行われた。
通夜の夜
その一つ一つに我が家の家紋と苗字の書かれた提灯を掛けた花輪が
数多く通りに飾られて・・・誰もがその立派さに驚いた。
その悲しいのに 不思議な 華やぎは 今でも私の目に焼き付いている。
葬式の朝
長い葬列が続いて 一歩一歩 歩んだ足の重かったこと、着せられた着物の窮屈だったこと、知らないおじさんたちの
木遣りの(だと思う)声が辺りに響いて 葬列はなかなか進まなかった。
評判の母を送るにふさわしい悲しい葬列だったに違いない。
あくる日、
俄かに雪になって あたり一面真っ白。昨日は あんなにあたたかったのに・・・と
父も、親戚のおばさんたちも 手伝いの人たちも み~んなが
母が天国についた知らせだよ といって また涙を流した。
絶えて久しく この時季に雪にあったことはなかったのに、・・・3月というのに・・・
今年は珍しく今朝から雪になって
いやがうえにも 母のなくなった年の雪を思い出した私。
何年経っても 悲しい。 だから 春の雪は悲しいの、雛祭りも・・・。
| 固定リンク
コメント
雪が悲しみを誘ったみたいですね
。
いい思い出も悲しい思い出も忘れられませんね。
お母さまのfurufuru様に対する思いが雪になったのかも。手術を元気で乗り切れますように、と
。
奇しくも、うちの母の誕生日で、私も久しぶりに母と話しました。(親不孝してます・・・
)
投稿: まゆクー | 2011年3月 9日 (水) 01時22分
まゆさま
生と死・・・不思議なめぐり合わせがあるものですね。
私の姪は息子の命日と同じ、その日は毎年
悲と喜がゆききします。
親孝行はできるうちにネ
投稿: furufuru | 2011年3月10日 (木) 10時28分