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2007年8月31日 (金)

入院の記

2007_08260002_5 何の前触れもなく襲ってきた嫌な奴!
7月半ば主治医から 悪いお知らせなのよ、とTEL.
えっ、??胃がんが見つかりました、早く手術しましょう。
一瞬、言葉を失う、なんですってぇ~~??
普段は女らしい優しい先生なのに ことに対するときは
こうも違うものか 冷たく極めて事務的に・・・
その声は響いた。

指定された日にJ医大でS博士の診察を受ける。
やっぱり~~B先生 よく見つけてくれたねぇ
何時にしましょうかねぇ・・・もっとも早くて21日ですが
そうしてください、早いほうがいいから(無我夢中であった)

2007_08260003_5 院内にもかかわらず階段がない??移動はすべてエレベーター、
とエスカレーターなのだ。吹き抜けの天井、日が差し込むロビーは
限りなく明るい、エスカレーターで移動する人がいる、
どこが悪いのだろうか??病人が多いんだなぁ・・・

かねてから支度してあるバッグを広げ風を通す。
パジャマにアイロンしたり不足品を買い足したり、結構忙しい。

どうしても知らせておきたい所があって手紙を、
返事には大丈夫、大丈夫、今は簡単だから・・・(内心 他人のことだと思って・・
慰めてくれるのだろうか 励ましてくれているのだろうか
古い知人から分厚い書留が。治療費の足しにしてください
息子さんが守ってくれるから安心して・・・と胸がキューっと・・涙 涙、
それほどのお付き合いでもないのに私の知らせに
よほど驚いたらしい 手紙が涙で滲んで・・
思わず ありがとうございます、ご恩は忘れないわ、
最後は言葉にならない、電話の向こうでなにやら言ってくれているが
よく判らない、手が震えて、声も涙声。
ほほを熱い涙が流れる。感謝、感謝。涙 涙。のひと時。

入院中のある日
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白い雲が流れる、ベッドに横たわり窓を
見るしかない今日も暑そう。

今日で2日間絶食。
かすかな隣からのにおいが恨めしい。

2007_08260010_3 3日目、おまま事みたいなカップに
濁ったようなスープ、もうひとつにはかすかに果物の
味のするデザート(?)具のない味噌汁(そのなんと
おいしいこと)全部で200CC。
少しづつゆっくりとね ですって・・(これっぽっちなのに

2007_08260012_3 翌日器が少し大きくなった。今日から400CCですよ
同じような具なしのスープ。あれ、今日はミルクが・・
胸がわくわく。(得体の知れたものはこれが初めて)

2007_08260022_4 さぁ、今日から五分がゆですよ、あっ、ご飯粒・・味噌汁にも
キャベツが・・・やっと人間らしくしてくれたわぁ・・・

2007_08260035_3 今日はねぇ、全粥ですよ、きんめの煮付け、煮びたし。
段々この世に近づいてきたような気がする。

鯵の塩焼き、??お醤油がついていないの??
明日は退院と聞き尾頭付きにしてくれたのかしら・・

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見舞いに届いた花が 殺風景な病室をわずかに彩ってくれる。






2007_08260028_2 外は夕焼け、雲がゆっくり、ゆっくり流れる。

2007_08260026_4 空の突き刺さるように見える起重機が 
そろそろっと首を移動する。
あぁ、世の中はみんな動いているんだわ、

一週間も退屈だろうと 読みかけの本をもちこんだのに源氏の須磨明石までしか
読めなかった。(反省)
最初の3日間は結構つらかっのでしょうがないか~と苦しい言い訳。

看護士が大きな袋を提げて ハイッ、お土産でーす、???
あら、な~に・先生がぜひ!と。(退院後の薬であった)彼はにこやかに、
勿論、私もニコニコ!退院できるということへの実感がじんわり。
しかし 今後転移というリスクを背負っていくことになるかと
思うと唯喜んでばかりはいられないが・・・

2007_08300006退院の朝、4時からおきだして着替て後は靴を履くだけ。
ベッドに腰を掛け迎えを待つばかり。
おめでとう、おめでとう、入院中にしりあった人たちが
こぞって見送ってくれた、ここでも涙の別れ。

甥の車で一路藤沢へ、町並みが段々
田舎風になってきた、そろそろかな・・
しばらく留守にした我が家には百日紅の枝が揺れている、あぁ、よかったぁ~~
あるじがいなくても咲いてくれていたのねぇ、
息子と彼女が迎えてくれているようなな錯覚に目が潤む。

今思うこと・・・肝に銘じて・・・ 
 ○健康を過信せず定期健診を受ける
 ○有名病院の名にこだわらず実力ある医師を選ぶ
 ○かかりつけ医を持つこと
  

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2007年8月 4日 (土)

風が強いのに・・・

数日続いている重い空気を何とかしたくて目的もなく外出。
バスを降りると 朝顔市の看板が目にはいった。
2007_08030021 梅の時季に来たことのある境内は、催し物のせいか三々五々人が行きかう。
のぞいてみると 何のことはない田舎の縁日みたい。朝顔市は入谷に限ると 内心江戸っ子の自慢がムクムク。

2007_08030020 帰り道天然酵母のベーカリーのことをおもいだし足を運ぶ。


勘違いして由比ガ浜で降りてしまい えぇ、ままよ!
ばかりテクテク。
それが大きな間違いで歩けど歩けど目的が見つからない。2007_08030019
台風の余波の南風に ワンピースの裾が絡まる 肌は潮風にじっとり、
帽子が飛ばされないように・・・
こんなところにプールがあるんだわ、夏休みのこどもを連れたママたちが自分も楽しんだのか笑顔を振りまいて風の中に自転車を走らせる。

探すのは半ばあきらめて・・・それにしても一息入れたいなぁ~~2007_08030014
立ち止まったところが な、なんと目指す店であった、おぉ神様!

店内は静かに人も少なく(時間はずれ)店員も 
ちょっとばかりいい○、
ランチもまあまあで・・・
かぼちゃのスープが飛び切りのできばえ
今焼きあがったばかりですので・・と
熱々のパンを差し出す手際よさに思わず アリガト!
(内心又こなくてはと)

2007_08030027 角まで送ってくれて帰途は難無く駅へ。目的を果たせた満足感で足取りも軽く・・・

白い牙をむいている海はまだまだ鎮まりそうにない、
暑い日であった。

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