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2007年7月28日 (土)

百日紅

Sasuberi2r 今年もこの花の咲くころになった

それは 私にとってこの上なく悲しい頃である。
30余年前にもなるが 
規(のり)が交通事故で逝った。
一人息子であった。優しい親孝行の子であった。
そして暑い夏の夜のことであった。

私はかけがえのない宝物を失った悲しみに打ちひしがれていた。
そして たった今死んでもいい とさえ思っていた。
彼女もそうであったに違いない。

2007_07280006 その頃のある日 彼女が駆け込むようにして

”おばちゃま~~これ、あんまり綺麗だから買ってきちゃったわ

といって抱えてきたのがこの百日紅である。
小さな鉢に植えられていたそれは 今はもう立派な庭木に育って我が家の庭を賑わしている。

Sasuber4r_edited1a_1 大きくなったものねぇ~~その筈よ、30年余りも経っているんだもの、
今年もピンクの花は その身を風に任せている。

あの世とやらには この花はあるのだろうか?
あるとしたらあの子はどんな思いでそれを眺めているだろうか?

私にとって忘れられない 夏の花のひとつである。

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2007年7月25日 (水)

矢切の渡し

2007_07070059_1柴又帝釈天の東に江戸川堤と対岸の矢切(千葉県国府台)を結ぶ「矢切の渡し」がある。

寛永8年(1631)に始まったというから
私たちからみたら大昔。その当時は農民の
耕作のために許されたものであったという。

あの ♪連れて逃げてよ~~♪ という歌謡曲によって一躍有名になったが現在はそんな艶っぽい様子は微塵もなく爺ちゃん婆ちゃんの観光名所になている。

2007_07070060 子供のころこの辺に住んでいた私は柴又の帝釈様へ
お参りした後 この渡しにのって向岸に行くのが
妙に嬉しく大人の仲間入りしたような気がしたものだった。

「あの橋を渡ると水戸街道と言ってね、ほら、黄門様の歩いた道だよ」
と、うそか本当か確かめるべくもないが・・・
船頭の川風に鍛えられた喉が朗々と流れる。

2007_07070061 往復の船旅(?)を終えた私たちは
寅さんで有名な帝釈天へ。
正式名は 経栄山題経寺(日蓮宗)と聞く。





立派な山門も鐘突き堂も
むかしのまま 内部に立派な彫刻が施されているのは2007_07070064
有名な話だが「男はつらいよ」の舞台になった
門前まちは噂どおりの賑わいであった。

名物のうなぎの看板を横目に心は はや次の目的地へ。

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2007年7月22日 (日)

月下美人

  開け放った窓から いい香りが~~~2007_07220019
 気がつくと月下美人
 2,3輪咲き出している。
 
 

 体調の悪さを理由にかまって
 やらなかったのに良くぞ咲いてくれました。

 2007_07220017                    

例年は咲くころには部屋へ取り入れて
いろいろ細工をしたりしたが今年は
それをする元気がない、
庭弄りもまず健康をと感じている昨今ではあるが、
香り豊かにその姿を見せてくれて有難うといいたい。

 

   嫁に出した花たちも嫁入り先で2007_07220015
  華やかに咲き誇っているに違いないと
  それぞれを思い出している夏の初めの夜。 

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2007年7月 8日 (日)

朝顔市へ

何年ぶりかで 朝顔市へ出かけた。2007_07070077_1
予報に反して曇り空ながら 雨は降らずに
オバサンたちの期待をのせてバスはスタート。
途中渋滞もなく事故もなくスムーズに
到着できたのはありがたいことであった。

                                              

Asagaoitib0076_2

なか日とあってか 人出は今一? 売り手の掛け声ばかりが大きく響く。
午後になったこともあってか花は咲いておらず
花の色を知るには売り手の言葉を信じるしかない。
一鉢2千円程度がおおむねの値段、小ぶりの鉢がわずかに置かれているのもご愛嬌か?

朝顔市はここ鬼子母神境内で七夕前後の             2007_07070070_2
3日間開かれる。聞くところによると 
文化年間(1804~18)に始まるというから
大昔(?)からといっても良いかな?
大正になって一時途絶えたが 昭和23年に復活、
下町情緒をしのぶ人気番組?となっているという。

朝顔市が立つ という言葉の
響きから 
あぁ、夏まじか!と感じる私は
下町育ち だからかも知れない。

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2007年7月 6日 (金)

七夕飾り

墓参の帰り 八幡様のあたりで裏方さんの記がひらめき
あわててバスを降りる。
バスの外は蒸し暑い・・・にもかかわらず大勢の人々が
行き交う。

2007_07060008振り返ると大鳥居に七夕飾りが
風にはためいている。
人々はわけもなくざわめき、
人力車は人待ち顔に・・・
町はすっかり七夕ムード。

2007_07060006

私の心をよぎるのは2日後に控えた息子の命日。
あの時、あの子はどんな思いで彼女との
七夕の宵を過ごしたのだろうか、
その翌日息子は逝った。
風の強い蒸し暑い土曜の夜であった。

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